海外展開への大きなカギ。ITO Innovation Challenge
"中東プロジェクト"レポート

「ITO Innovation Challenge」は、社員一人ひとりが新しい事業を自由に提案できるよう設けられた社内制度です。役員の審査を経て、それが伊東商会の新しい価値につながると判断された場合は、実際に正式なプロジェクトとして動き出すという社員主導の取り組みです。今、このITO Innovation Challengeを通じて、新しい“中東プロジェクト”が動き出そうとしています。

伊東商会の海外展開を左右する次の一手、“中東プロジェクト”

伊東商会は現在、「2020年までに海外売上200億円の達成」という目標を掲げ、本格的な海外進出のビジョンを描いています。すでに中国とタイに 現地法人を構えていますが、次なる一手として動き出しているのがITO Innovation Challengeを通じて生まれた“中東プロジェクト”です。

プロジェクトの提案者は営業部の島津と、コーポレート部の藤原。所属部署が異なる2人ですが、提案につながったきっかけは、ある貿易関連の案件について藤原が島津に意見を聞きに行ったことでした。

「中途で伊東商会に入社した島津は、前職のメーカーで中東を含む海外勤務の経験が豊富だと社内でも有名でした。 私自身も中途で入社しており、また前職で測定機器の海外営業をしていたので、お互いの共通項を話す中で『海外展開についてなにか新しいチャレンジをやって みよう!』と考えたのです」(藤原)

難しい地域だからこそ、大きなアドバンテージになる

▲ コーポレート部 藤原

そこで着目したのが、島津がこれまでのキャリアで築いたネットワークのある「中東」という市場でした。著しい経済成長や、潤沢なオイルマネー、サッ カーW杯や万博の開催も控える中東は、現在世界中の企業が熱い視線を注ぐ地域です。しかし同時にそこは、新規開拓の難しさを抱えた場所でもあると島津は話します。

「文化・宗教上の違いや治安の問題、現地のビジネスマナーなども含め、日本と中東は環境が大きく異なりま す。ツテを持っていない企業が、いきなり進出できるわけではありません。まずは、現地でのしっかりしたネットワーク構築が必要ですが、同時にそれが一番難 しいポイントでもあります。」(島津)

その点、島津が持っている中東のネットワークは伊東商会の大きなアドバンテージ になる。そう考えた2人はITOイノベーションを通じて、中東向けに建設機械を販売するという新規ビジネスの提案を行いました。これは伊東商会の国内ビジ ネスとは異なる「一つの完成した製品を売り込む」という新しい試みです。単なる提案というレベルに留まるものではなく、実際にビジネスとして“勝ちに行 く”という島津と藤原の強い思いが込められたものでした。

役員の審査を受け、最初の中東出張を実施したのが2015年の10月。これを皮切りに、同年12月、翌年3月と繰り返し中東への訪問を重ねました。

“受注”という結果を出しつつ、そこからさらにネットワークを広げる

▲ 第1営業部 島津

これまでの出張の目的は主に、人脈ネットワークの再構築と現地の市場調査でした。日本製品を扱い、その高い性能を実際に理解している現地企業を主な ターゲットに、建設機械や製氷マシンの提案を行いましたが、現地企業も日本企業をよくリサーチしており、交渉は一筋縄ではいきません。

建設機械に関しては、現地にはすでに市場ができ上がっており、そこに今から参入するためには製品を売り込むための新たな戦略が必要でした。相手のリクエスト に対してスピード感のあるレスポンスが求められる一方、1回の打ち合わせに半日以上の時間を費やすような粘り強さが必要な交渉もあります。

「重要なのは限られた時間の中で、こちらが製品の魅力をどれだけ相手に伝え、価格と見合う価値を感じてもらえるかということ。もちろん、本来の業務もあるのでいつでも出張に行けるわけではありません。一回の訪問を大切に、私たちの持てる全ての力を尽くしています。」(藤原)

これまでに3回の出張を終えた2人は、次の訪問が大きな勝負どころになると見込んでいます。

「次の訪問は、受注を決めるような大きな動きが出てくる局面だと思います。これまでの訪問でさまざまなクライアントとのネットワーク構築ができたので、これか らも提案できる製品・メーカーの数を増やし、提案自体の幅を広げたい。受注という結果を出しつつ、そこからさらなるネットワークを開拓するような、新たな 動きにもつながれば嬉しいですね。」(島津)

次の中東訪問予定は2016年の夏。現地の経済動向をリサーチした上で、 具体的な見積もりを持参する予定です。さらに提案できる製品数を充実させるなど、この中東プロジェクトを継続的なビジネスにしていくための挑戦は今後も続 いていきます。伊東商会が海外展開を行う上で、大きなカギとなる中東プロジェクト。今後の動向にも注目していきます。