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2017年ハノーバー・メッセの最新動向を調査
"新しい価値"を生み出す産業技術のトレンドとは?

伊東商会は、2017年4月24〜28日まで開催されたドイツの産業技術の見本市『ハノーバー・メッセ』に視察団を派遣しました。ハノーバー・メッセのテーマとなっている『Industry 4.0』や製造業における近年のトレンドであるIoTの動向など、出張メンバーの見た今年の展示会の様子をレポートします。

世界が注目するドイツの産業見本市『ハノーバー・メッセ』

ハノーバー・メッセ エントランス

産業大国であるドイツのハノーバーで開催される『ハノーバー・メッセ』は、「第四次産業革命」を意味する“Industry 4.0”をテーマとして掲げ、世界各地から最新の技術・製品が集まる、世界最大の産業技術の展示会です。昨年は会期中の商談実績が560万件に上るなど、新たなビジネスが生まれる場にもなっており、今年も20万人以上の参加者が集まりました。

伊東商会では、グローバル市場と最新技術の動向にキャッチアップするべく、このイベントに2015年より視察団を派遣しています。全社員に募集をかけ、今年はベテランから新人まで、社員計7名が2チームに分かれて参加しました。「新しくお客様に提案できる製品を発見する」ことを目標として掲げ、それに沿って各社の商材や使用用途などをリサーチして、イベントに臨みました。

注目を集めるIoTを受け、さらなる「新しい価値」の創造を

ハノーバー・メッセ 提供

今年のハノーバー・メッセのテーマは「Integrated Industry – Creating Value(産業システムの統合化・価値の創造)」です。

近年では製造業でもIoT(Internet of Things)に注目が集まっており、昨年のハノーバー・メッセではネットワークに接続して自身以外の製造機器と連携するロボットや、ソフトウェア開発に力を入れる企業の展示が目立ちました。それを受けて今年は、ウェアラブル端末を活用した作業支援・管理や、センサーを活用した作業現場の安全性の確保など、「ネットワークに接続し、制御すること」からさらに一歩進んだ「新しい価値」を提供する企業の展示が増えていました。

私たちはその中でも、機械がモノや作業員を認識して判断するためのセンサー機器が大きな発展の可能性を秘めているとターゲットに設定し、最新機器および、センサー機器を中心にリサーチを行いました。今回多くの展示の中でも、参加社員が特に注目した2社をご紹介します。

ロボットと人間が“協働”するためのセンサー SICK

SICK社 展示ブース

世界で最も早く光電センサーの開発・製造に着手した、センサー市場のリーディングカンパニーであるドイツのSICK(ジック)社。産業用アプリケーション向けのセンサーおよび、センサーソリューションを提供しています。今回のイベントでも、ロボットを展示する他社メーカーのブースでSICK社の光電センサーが使われているケースが見受けられました。

展示の中で特に興味深かったのが、ロボットの可動範囲に人が入ったのを感知し、自動的にロボットの動きを止めるセンサーや、AGV(無人搬送車)の走行中に人が通ると反応するセンサーです。SICK社の展示は、各種センサーを通して「ロボットと人間が安全に協働する」ための提案という印象を受けました。

その他にも、物の形状を数パターン記憶させておけば、どの位置や向きでコンベアから流れてきても、その物を瞬時に認識できる「形状認識システム」のデモンストレーションが行われていました。ソーター上にバラバラと送られてくる商品を分類するなど、物流の分野で重宝するでしょう。

センサー付きロボットハンドで産業技術賞を受賞 SCHUNK社

SHUNK社 展示ブース

SCHUNK(シュンク)社は、ロボット先端のグリップや、ロボットハンドを製造し、その把持システムを開発するドイツのメーカーです。今回のイベントでは、センサー付きのロボットハンドを新商品として展示していました。

スマート把持システム「JL1 co-act gripper」は、人の作業状況を認識し、安全な状態のままで稼働できるロボットハンドシステムで、把持部には触覚センサーが搭載されており、これによってさまざまな材質や形状のものを掴むことができます。このシステムはその性能を評価され、産業用技術賞の一つである「HERMES AWARD」を受賞しています。

SCHUNK社のハンドは主力のロボットメーカーが展示するロボットのほとんどに取り付けられており、各社のデモンストレーションが会場を賑わせていました。また、ロボットハンドには軽くて加工もしやすいカーボン素材が使われており、丸みを帯びた優しい形のデザインも評価を得ていました。ヨーロッパのメーカーらしいデザイン性の高さも興味深く、「デザイン」という要素は、日本の製品にも取り入れていかなければならないのかもしれません。

IoTから一歩先へ。「新価値」を生み出す商品のご提案

今年のハノーバー・メッセでは、ロボットと人の“協働”に焦点を当てた展示が多く、特に“コボット(協働ロボット)”の存在が目立ち、それ以外にも、ロボットハンドと握手ができたり、ロボットに物を渡して把持させたりといった、インパクトのある展示方法で技術をプレゼンテーションする企業のブースが人を集めていました。

IoTの広まりによって、ネットワークを通した製造現場の自動化が世界中で進められています。その中で今後必要となってくるのは「ロボットと人とが協働する方法」を考えることです。作業員の安全性を確保する上で、今後はモノと人を認識するセンサーが必要になると感じており、世界最先端のテクノロジーに触れることができたハノーバー・メッセの視察は人とロボットの協働を考えるうえで非常に有意義なものでした。

今後も伊東商会は、各種センサーはもちろんのこと、世界の技術にキャッチアップすることで取り扱う製品の幅を広げ、お客様のご要望に応える新たなソリューション提案を行っていきたいと考えます。