ITOタイ 現地レポートvol.1
海外ビジネスで実感した、チャレンジ精神の重要性

伊東商会が海外ビジネスを強化するにあたって、2014年11月に設立された伊東商会のタイ拠点ITO(THAILAND)LTD.(以下、ITOタイ)。代表の西郷を中心に、メンバー全員で力を合わせ、現地での新規ビジネスの開拓に日々取り組んでいます。今回はITOタイの現在の取り組みと、設立以来の大型案件となった現地飲料メーカーへのケーブルの提案について、現地の西郷から話を聞きました。

食品業界を中心に新規開拓の日々

「人口の増大やASEAN経済共同体の動きなど、東南アジアという地域はこれから市場の爆発力が期待されています。海外ビジネスを強化する上でも、東南アジアに拠点を持つことは商社として大きな強みとなるはず」。

そのような思いから伊東商会では、2013年から東南アジアに拠点先を探すプロジェクトに取り組んでいました。私はそのプロジェクトメンバーの一員として、タイに3ヶ月ほどの市場調査に赴き、その縁もあってITOタイ設立にあたり責任者に任命されました。

現在、私たちITOタイのメンバーが何よりも力を入れて取り組んでいるのが“新規開拓”です。なにしろITOタイは、現地にお客様がゼロの状態からのスタート。コネクションの拡大は最優先課題なので、アグレッシブな姿勢でさまざまな企業とコンタクトをとっています。

その中で私たちが、メインでアプローチをかけているのが食品業界です。特にタイでは冷凍食品の製造が非常に盛んで、日本にも鳥の唐揚げやエビのてんぷらなどをはじめ、さまざまな冷凍食品を輸出しています。そんな他社競合がひしめきあう食品業界において、各メーカーは生産の効率化を図るため新技術の導入に非常に積極的です。そこでITOタイは、工場における生産ラインの自動化に着目し、作業工程の効率を飛躍的に高める産業用ロボットの提案にとりわけ力を入れています。

ITOタイとして最大規模となったケーブル受注

ITOタイの設立以来、最も大きな受注となったのが、現地大手飲料メーカーA社が導入するボトリングシステムへのケーブルの納品です。一口にケーブルといってもさまざまな種類があるので、その選定には気合を入れて臨みました。

提案にあたっては、ケーブル導入予定の工場のCAD図を読み解くところからスタートしました。工場内のレイアウトを確認し、電流や電圧など安全性の面も視野に入れて必要なサイズをこちらで計算。その上でケーブルの太さ・種類・予算などさまざまな要素を考慮し、条件に最もふさわしいメーカーを選び抜きました。その際に頼りになったのが、ITOタイメンバーの“セールスエンジニア”の存在。「営業としてのスキルと製品への技術的知識を併せ持つ」という強みを生かし、メーカーの選定や予算の見積もりを行う上で大いに活躍してくれました。

また、最終的に納品したケーブルの長さはすべてつなげると18kmにも及ぶ長大なもので、これほど大きな製品ともなると納品の際にも苦労がありました。タイは物流が日本ほど発達していないので、製品の納入も自分たちで行う必要があります。しかし、製品の重量も数トンにも及ぶものだったので、今回はケーブルを提供するメーカーにも力を借りて、トレーラー2台とトラック2台を手配。今年(2016年)6月に無事、納品に至りました。

今後のビジネス拡大に欠かせない2つのキーワード

今回の事例は、私自身もケーブルという製品を扱うのが初めてだったこともあり、試行錯誤しながら取り組んだ案件でした。寸法の細かな指示がないことも、商社が納品までを担当することも、日本では経験したことのない出来事です。

しかし、海外で仕事をする上では、そうした“初めて尽くしの経験”は日常茶飯事。そこで「できません」で終わってしまっては、絶対に新しい仕事にはつながりません。過去に経験のない事例にぶつかっても、思い切ってトライしてみるチャレンジ精神が海外ビジネスでは重要だと、今回の案件を通じて再認識しました。

また、これまで触れたことのない製品を取り扱うためには、一つの製品や技術への専門的知識はもちろんのこと、さまざまな製品・技術にまたがる幅広い知識にも通じておく必要がある、と実感しました。その上でもこの先、「営業スキル+エンジニア的知識」を兼ね備えた“セールスエンジニア”の重要性は増していくはず。そうした人材をより充実させ、ITOタイのマンパワーをさらに高めていくために、現地での採用活動にも注力しています。

加えて、今後はさらに日本側と情報の相互共有をより徹底したいと思っています。日本と海外が、互いに情報を発信しあい“一つの伊東商会”としての連携ができれば、ITOタイとしてお客様に提案できるソリューションの幅も広がりますし、新しいビジネスもどんどん生まれていくはずですから。

“マンパワーの充実”と“情報共有の徹底”。ITOタイはこれら2つのキーワードを軸に、現地の情報と日本の情報をつなぎ、エンジニアリングサービスを付加したソリューション提案をお客様に行っていきます。